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所長のひとり言 6
ある日の自然教室でのこと、数人の子どもたちが「あっ、サクラソウだ。これって絶滅危惧種なんだよね。」と、咲き始めた花壇のサクラソウを見つけ話していました。何気に植えられていて、特に注意書きをすることもなく、しっかり保護しているでもなく、他の花と同様に毎年花をつけています。それでも、「レッドデータブック」のリストに記載される花の仲間になっていることを、子どもたちはちゃんと知っていました。昔は、といっても昭和のはじめ頃(?)には川崎でも群生地があって、いくらでも見ることが出来たのでしょうか。生育地の開発等によって減少の一途をたどってきた、貴重な花に通りすがりに気づいてくれたのです。たぶん学校や家庭でも、このことの重要性についての話がされていたからなのでしょう。子どもたちは、「きれいだよね。この花あるんだよ、家にも。」と話ながらそこから去っていきました。

2007.7.1 三井一則 |