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所長のひとり言 7
昭和30年代初めの八ヶ岳の写真を見ると、現在の落葉松の林は写っていません。当時の写真には、広大な草原が麓の田畑の近くまで広がっているようすが覗えます。整然と繁る落葉松林となったのはほんの数十年前。それまでは何百年にもわたり一面の草原が広がって、様々な自然災害等にも遭いながら広大な草原の景観を形成していたのでしょう。
施設と隣接する鉢巻道路が出来て40年余り。その隣を今年話題の大河ドラマ、風林火山の舞台となる甲斐と信濃を結び、武田信玄によって整備されたと伝わる軍用道路『信玄の棒道』が平行して走っています。
川崎市の自然教室の子どもたちが使用するオリエンテーリングコースの一部には、その昔武田騎馬隊が駆け抜けたかもしれない、信玄の棒道が含まれています。今、知らないうちに歴史の道を歩いているのは、コンパスと地図を首から提げ、お弁当の入ったリュックを背負った子どもたちです。

2007.9.1 三井一則 |