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所長のひとり言 17
今年の二十四節気の一つ、穀雨は4月20日でした。穀雨とは「雨が降って百穀を潤す」ということで、この頃のやわらかい春雨が穀物を潤し育てる候という意味です。雨が穀物の生長に必要なわけで、私たちが生きるためにも必要な恵みの雨になります。
子どもには大きな発達の可能性があります。その可能性を現実のものにするものは、年齢に応じた体験と言ってもよいと思います。どんな優秀なコンピュータでも、情報を入力しなければその性能を発揮できません。子どもにとっての情報は体験なのです。近年、子どもの体験は親や先生に指示されての「させられ体験」や、テレビやパソコンによる間接体験、疑似体験は昔の子どもより多くなっていると思われます。それが悪いとは言いませんが、自発・能動的な直接体験が欠けているように思います。
少年自然の家には子どもたちの宿泊体験活動を通して、このような自発・能動的な直接体験を補う役割があると思っています。
新しい年度が始まりました。子どもたちにとって、穀雨のようになれる少年自然の家の運営を心がけていきたいと思っています。

2009.5.1 三井一則 |