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〈高い所は何故寒いの?〉

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先日、自然教室できている子どもに質問されました。「太陽に近づくと熱いのに、川崎より千mも太陽に近い所にある八ヶ岳はどうして寒いの?」というものです。さあ、高度が上がると気圧が下がることから説明しなくちゃ。でも何故気圧が下がるかはちょっと省略して、「おやつにポテトチィップを持って山登りしたことない?」「あるよ」「山の上でポテトチィップの袋はどうなった?」「ふくらんでたよ」「何がふくらんだとおもう?」「中の空気だよ」「そう、高い所へ行くと空気はふくらむんだよ。低い所でこのくらいの空気は、高いところへ行くとこんなにふくらんでしまうんだよ」「ふ〜ん」「低い所ではこのくらいだから、ここに子どもが5人入れるとするよ。じゃ、高い所ではこんなに広くなるから子どもは何人くらい入れると思う?」「10人くらいかな」「では低い所の5人に温度を100度あげるから、皆で分けてもらうよ。1人何度分けてもらえるかな?」「20度」「そうだね。では高い所の10人にも100度分けてあげると、1人何度分けてもらえるかな?」「10度」「そうだね。高い所の10度、低い所の20度、どちらの方が低い?」「高い所の方」「そう、だから空気がふくらむと中の温度は低くなるんだね。わかった?」「うん、わかった」「太陽にうんと近いところはアッチッチだけど、地球上では100m上ると0.6度くらい下がるんだよ。覚えておいてね」突然だったのでこんな答え方をしましたが、これは詭弁です。まずかったなあと反省しています。
本当は海の底の水圧が高いように、大気圧は低い所で高く、高い所は低くなっていることからきちんと説明しなければいけませんでした。千m上昇するとおよそ10%ずつ気圧は下がります。
また、仕事とかエネルギーを小学生にどのように説明したらよいのか判らなかったので、思いつくまま話したのですが、本当は空気が膨張することによって、周囲を押しのけるという仕事をするわけで、その分、内部エネルギーを使ってしまうので気温が下がるのです。このことをどうやって説明したらよいかとっさに判らなかったのです。子どもへの説明は難しいなと改めて感じ、反省もしました。
なお、0.6度は大体の数字で、乾燥した空気と湿った空気ではちがいます。乾燥した空気の場合は100m上ると約1度、湿った空気の場合は100m上ると約0.5度下がります。湿った空気の場合は上昇して冷えると水滴になりますが、その時潜熱を放出します。そのため温度が上昇し、乾燥した空気より減率が少なくなっているのです。この減率のことを乾燥断熱減率、湿潤断熱減率といい、私は高校生のときに授業で習いました。そんなことを今思い出しました。 |
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